産廃の収集運搬業の許可申請の流れ
産廃の収集運搬許可のご相談から、許可がおりるまでの流れについて説明させていただきます。
まず、確認させていただくのが下記のことになります。
- 産廃の収集運搬課程の講習を受講されている方がいるかどうか?
- 会社や個人の創業から何年経過しているのか?(3年未満の場合追加資料が必要になることがあります。)
- 直近の決算が赤字かどうか?
- 資本金を食いつぶして赤字が累積していないかどうか?
※特に4.の状況で赤字が大きい場合は、許可申請する府県によってはかなり追加資料を要求されることがあります。
ただし、許可が取得できないというわけではありませんのでご安心ください。
それと1.の産廃の収集運搬課程の講習ですが、これは社内にお一人は受講された方がいなければなりませんので、こればかりは、どうしても受講する必要があります。
日程が決まっていますし、どうしても急ぎという場合は遠方でも受講される場合もあります。
詳しい日程は日本産業廃棄物処理振興センターのホームページで確認できます。
次に運搬車両の確認です
○トラックなど産業廃棄物を収集運搬できるような車両があるかどうか?
なのですが、これは1台でも構いませんし、軽トラックでも構いません。
ライトバンのような車両でも問題ありません。
車両のナンバーが、白色か緑色の場合、通常車検証には「乗用」か「貨物」と書いてありますので、貨物となっていれば問題ありません。
ナンバー自体も例えば「大阪100あ12-34」などとなっていますが、100の部分の先頭が「1」または「4」となっている場合は「貨物」の車両ですので収集運搬に使うことが可能です。
ただし、ライトバンのように荷台がかなり制限されてしまう場合は、運搬できる産業廃棄物の種類も制限されてしまいます。
ですから、出来ればトラックのように荷台にある程度積載できるようなものが望ましいでしょう。
また、車検証のうち使用者の欄が申請者のお名前になっていれば問題ないのですが、別の名前になっているばあい、大阪府などは承諾さえもらえれば良いのですが、京都府などはあくまで使用者の名義を変更しないと受け付けてくれません。
(よく見受けられるのは、使用者欄が会社の社長個人の名前になっていることや、別のグループ会社の名前になっているなど。)
さらに、緑ナンバーの場合、一般貨物の許可を持っているということになりますから、使用者が別の会社となると、大阪府でも使用承諾をもらってというわけにはいかなくなります。
このあたりは注意が必要ですね。
欠格要件も確認します
これらが問題なければ、申請は可能になることが多いのですが、代表者や取締役、監査役、講習受講者、株主のうちに欠格要件に該当する方がいた場合は許可が取れません。
通常は欠格要件に当てはまる人はいないので、まず大丈夫なのですが、たまーにありますので気を付ける必要があります。
当センターで経験したものですが、許可の更新の際に欠格要件で引っかかり不許可になったものがあります。
そのケースは社長のお父さんが監査役に入っておられて、何も問題ないと思われた事例でした。
それが実際は欠格要件に該当し、不許可。
なぜ欠格要件に該当したのか確認したところ、監査役であるお父さんが傷害事件で罰金刑が確定していました。
そのお父さんは田舎に住んでおられて社長とは別で暮らしているのですが、地元で訪問販売のリフォーム業者があまりにもしつこく無礼だったということで、ケンカになり傷害事件とされてしまったということでした。
息子である社長も全くこのことを知らなかったようで、本当にびっくりされていました。
当然我々も血の気が引くほど驚きましたが・・
取締役や監査役が全く疎遠で、名前だけ入っているという会社もありますので、十分に注意が必要ですね。